開幕 テオロギア
それは、神についての物語と呼ばれる、各地に由来した歴史書。
数多の神が存在する中、テオロギアもまたその数だけ存在する。それを綴る者テオロゴイも――。
ある時、一人の神が言った。
「人々の目に触れるテオロギアは唯一つでいい」と。
醜い争いが起きた、自分自身のテオロギアを残そうとした神様によって。しかし、神同士が争えば世界が壊れてしまう。そこでまた、別の神が言った。
「正しいテオロギアを決めるのは、人間であるテオロゴイ同士の戦いの勝者にすればいい」と。
それは合図。長い、戦争の始まりだった。
やがて、この地域には二神だけが残った。
虚偽を司る神、シルヴィア。真実を司る神、ライティス。
両者は争いに終止符を打つため、それぞれテオロゴイを探すことに。そして、二人が定めたテオロゴイ。彼ら彼女らは――全てを壊すことを誓った者、全てを守ることを誓った者。
変わらない約束をした二人のテオロゴイと二人の神。四人は、交わらない願いを抱いて歩み始める。
「交わした約束は必ず果たす」
ギルド・インペグノにとって、それは忘れられない、忘れてはいけない約束。
インペグノは、今日もその約束を背負って故郷で生きていく。
――これは、不思議な巡り合わせで出逢った五人の物語。後世まで受け継がれ、
今もどこかで眠りそのページが開かれるときを待っているという、
約束の物語『Impegno's theologia』である。